天使

この頃、天使の夢を見る

金の髪と青い瞳の美しい天使になる夢だ

願望なのかもしれない

フロイトの研究を読もうかとおもったが

科学的に判断するにはあまりにももったいない

無機質な判断では無く答えのないロマンティックな判断をしたい

夢の中でぼくは誰もが憧れるハンサムな青年に溺愛されている

小説を読んでいる様な

自分であるが自分ではない体験だ

耽美小説の一節の様な短編的な記憶だけが蓄積されていく

あのほの甘い感情と厳かで美しい空気をうまく文字にできない

それだけが不満だ

薔薇園に行った

青年が連れて行ってくれた薔薇園で彼が

このまま死んでも構わない

とぼくを見て思っているのを覚えている

その声が聞こえてきてぼくは

どんな感情になったのだろう

一番重要なことはいつも忘れてしまう

そんなことばかりだ


薔薇と脳髄の向こう

感嘆と共感と畏怖。共に彼岸へ向かおう。